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緊張しながらも、綺月君のお父さんの
紅夜さんと挨拶を交わし
お母さんと紅夜さんが、
和やかな雰囲気を必死に作ってくれていた、
夕ご飯の時間も終わり。
お風呂にも入り。
ただ今の時間
夜の9時45分。
自分の部屋の勉強机の前に座り
時計から、目が離せられない私。
放課後から
激しく動きっぱなしの脳と心臓は、
早く休ませろと、肌を激しく叩いてくる。
休ませてあげたいよ。
今すぐに。
でも……
待って。あと、5分だけ。
9時50分になって、
私に何も起こらなければ。
リビングに行って、
安らぎを与えてあげるから。
気を紛らわそう。
そう思って、大好きなアニメの
ドラキュラのフィギュアに瞳を移すも
さらに、飛び跳ねだした心臓。
ん? どうしちゃった?
私の宝物のフィギュアだよ。
嫌なことがあると、
いつも私を癒してくれているのに。
なんで今日に限って『効果なし』なの?



