ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目




「あ……私なんかじゃ……
 綺月君を癒すとか……ムリだよね」



 慌てたように、心美は
 包んでいた俺の手を離したけれど。


 今度は俺が、心美を包みたくて。
 絶対に離したくなくて。

 ベッドから立ち上がり。

 強引に、心美の腕を引っ張り。
 俺の胸に引き寄せた。



「すっげー安心する」


「え?」


「心美の温もりを感じるだけで、
 すげー癒される」

 癒されるけど……



 心美を抱きしめてるだけじゃ、
 足らなくて。

 俺にとって心美がどれだけ大事か、
 きちんと伝えたくて。


 心美の頭に手を乗せ、
 何回も何回も優しく撫でる。