「あ……私なんかじゃ……
綺月君を癒すとか……ムリだよね」
慌てたように、心美は
包んでいた俺の手を離したけれど。
今度は俺が、心美を包みたくて。
絶対に離したくなくて。
ベッドから立ち上がり。
強引に、心美の腕を引っ張り。
俺の胸に引き寄せた。
「すっげー安心する」
「え?」
「心美の温もりを感じるだけで、
すげー癒される」
癒されるけど……
心美を抱きしめてるだけじゃ、
足らなくて。
俺にとって心美がどれだけ大事か、
きちんと伝えたくて。
心美の頭に手を乗せ、
何回も何回も優しく撫でる。
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