ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目



「食費も学費も一切いらない。
 でも一つだけ、条件があるんだ」


「千柳、なんだよ、条件って」


「天音君も、俺の家に一緒に住むこと」


「なんで、天音?」


「俺ね、どうしても天音君を
 ゾルックに入れたいの」



 千柳さん、待って。待って。

 天音君を、アイドルとして
 ステージに立たせるつもり?



「この前、ニセ占い師で勧誘したけど。
 『興味ありません』って、
 きっぱり断られちゃって」


 テヘっと舌を出した千柳さんに、
 天音君のことを
 諦めてもらわなくちゃ。




「天音君……
 目立つのが嫌いだから……」


 だからこれ以上、
 勧誘しないで上げてください。


 そう付け加えようと思ったけれど、
 綺月君の声にかき消された。



「そう言えば、
 天音に頼まれてたんだっけ。
 『僕の前に二度と現れないで』って、
 千柳に伝えてくれって」


「天音君も俺とアイドルやりたいくせに、
 素直じゃないんだから。
 天邪鬼なところもかわいいよね~」



 千柳さんは、
 フフフと微笑んでいるけれど。


 アイドルとしてステージに立つこと。

 天音君は、
 心から拒否していると思いますよ。