な……なんでそんなこと……
私に言うの?
『特別な存在』
そう思ってくれているのかなって、
勘違いしそうになるよ。
でも……
人に心の中を見せない綺月君が、
私にこんなことを言うなんて……
嘘でも嬉しいな……
「私も……知りたい……
綺月君のこと……」
「ありがとな」
不安そうに歪んでいた
綺月くんの顔が、一変。
春の花が揺れるように、
優しく微笑みだし。
「ちょっと時間かかるけど、待っててな」
綺月君は私の頭に手のひらを置くと、
ステージの裏側へ駆けて行った。
小さくなっていく背中を見つめ。
自分の心の声に、肩を落とす。
私……やっぱり好きなんだ……
綺月君のこと……
ぼっちで疫病神なのに……
身の程知らずだなぁ……



