綺月君の気持ちを聞けなくて。
手を離すこともできなくて。
――夢でもいいから、
綺月君と繋がっていたい。
心の奥に押し込んであった
欲望を満たすように。
車に揺られながら
私は綺月君の手の温もりを、感じていた。
1時間以上走り続けた車も止まり。
私と綺月君だけ、車から降りた。
入場ゲートのような門をくぐり。
連れてこられたのは……どこ?
柵に囲まれた広場の先に、
大きなステージがある。
「この椅子に座って」
綺月君が置いてくれた簡易椅子に、
言われるがまま座った私。
「ここまで連れてきておいて……
心美にこんなこと聞くのも
アレだけど……」
ん?
「俺のこと……知りたい?」
へ?
「俺のことがバレればバレるほど、
心美に嫌われるって
わかってるんだけどさ」
けど……なあに?
「オマエにだけは
わかって欲しいって思いも……
あるからさ……」



