運転席には氷牙さん。
その後ろに、私。
私の隣に座る綺月君との距離は、
リンゴ3つ分くらい。近いよ。
窓の外を見て、
心のソワソワをごまかしているけれど。
私の左腕は、
綺月君の放つオーラ圏内に入っているのか、
ゾワゾワしちゃうし。
ハンドルを握る姿は、
車のCMに出る俳優さん?って
勘違いしちゃうほど、
カッコいい氷牙さんなのに。
車が動き出した瞬間、
私の第六感が、ざわつき出した。
急発進。
急ブレーキ。
そのオンパレード。
も……もしや……氷牙さんって……
車の運転が苦手??
右カーブでは、
窓の外に投げ出されるか心配になるくらい、
私の体が傾いて。
左カーブで。
綺月君の肩に、
私の頭が突撃してしまった。
「あ……ごめんなさい……」
「心美が謝ることじゃねぇだろ?」
そうだけど……
綺月君の腕が折れてない?
そう心配になるほど、
勢いよく突っ込んじゃったし。
綺月君のヒソヒソ声が続く。



