さっきまで泣き崩れていた自分を忘れ、
にやけてしまった時。
真顔の綺月君と目が合った。
ひゃっ!!
綺月君。
すっごく嬉しそうに微笑んでいるけど……
何??
「心美が、やっと笑った」
ひぃ……ひぃえ!!
綺月君。
その満開な笑顔、反則だよぉ。
私の笑顔を見て、
綺月君が喜んでくれたのかなって、
脳が勘違いしちゃうんだから。
大嫌い…… 大嫌い……
綺月君なんて……大嫌い……
脳を騙したくて。
何度も頭の中でつぶやいたけれど。
「心美ちゃん、
綺月のワガママに付き合わせて
悪かったね」
眼鏡イケメンさんに、ふわっと微笑まれ。
「乗って」
なぜか顔じゅう真っ赤な綺月君が、
後部座席のドアを開けてくれて。
流されるように、私は車に乗り込んだ。



