ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目



「心美、どうした?」


 オロオロとした綺月君の弱々しい瞳と
 視線が絡んで。

 余計に、心臓が踏みつけらえたように痛む。



「ハァ……もう……私に……ハァ……
 か……関わらないで……」

 
「心美、とりあえず落ち着けよ。
 ゆっくり息吐いて」


「息の……吐き方……わからない……」



 その時、ベッドに座る私を、
 綺月君が抱きしめた。

 綿菓子にくるまれているみたいに、
 優しく、ふんわりと。


 そして私の耳元に、甘い声を落とした。



「俺の呼吸、わかる?」


「……うん」


 私の頬に押しあてられている
 綺月君の胸。

 綺月君の呼吸と連動して、
 上下するのがわかるから。



「俺に合わせて、息吐けばいいから」




 綺月君はなんで、
 私のことを心配してくれるの?

 なんで、こんなに優しく
 抱きしめてくれるの?