高校に入学して。
心美に声すらかけられなくて、無視。
2年になって、同じクラスになったのに、
それでも無視。
学校で喋れねぇなら、
親同士をくっつけて一緒に暮らせばって
企んで。
見事、お試し同居が始まったのに。
好きって想いが溢れて、暴走して。
天音と心美の関係に、勝手に嫉妬して。
教卓の下に、心美を押し込んで。
嫌がる心美に無理やりキスして。
酷い言葉を浴びせてしまった。
『大嫌いだから。オマエのこと』って。
落第だよな?
心美に告白する権利さえ、
もらえるはずねぇよな?
「天音はどうせ俺のこと、
心美の相手にふさわしくないって、
思ってるんだろ?」
諦めの重いため息。
言葉と共に天音に吹きかけたのに。
天音からの返事はない。
わかってるって。
俺が一番よくわかっている。
心美を幸せにできる男は、
俺じゃないってことくらい。
「天音。心美のこと頼むな」
心美を託すように、天音の肩に手を置き。
階段を降りようとした時。
冗談交じりの陽気な声が、
天音の口から飛び出した。



