『中学入ったら、英語の勉強しろよ』
『私、今度、高校受験ですけど……』
『オマエ、中3?』
小学生のガキかと思ってたけど、
俺と同い年じゃん。
『どこの高校狙い?』
『私は、月が丘高校ですけど……』
マジかぁ。
志望校、俺と違うし。
そもそも、隣の県じゃん。
俺の家から、遠すぎ。
赤ずきんとの縁、これで切れるのか?
それは、絶対に嫌だな……
そう思った時には、
自分の首にかけていたネックレスを
外していた。
『オマエさ、
英語、猛勉強しろよ』
『してるんですけど……
全然上達しなくて……』
『もっとしろ。空き時間は、
英語のニュースでも聞き流してろ』
それで、志望校に入れ!!
俺も周りを説得して。
必死に勉強して。
オマエと同じ高校、受かってみせるから!!
『受験のお守りな』
そう言って俺は、
心美に俺のネックレスをかけた。
黒と紅色で彩られた
十字架のネックレスを。
心美の首の後ろに、手をまわした時。
抱きしめてんのか?って
勘違いするほどの近さに。
ドキドキで心臓がはちきれそうだった
感覚を、今でも覚えている。



