「同じクラスにいて、
綺月くんは気づかなかったの?」
呆れ声の天音に
「……ああ」と、情けない声を返す。
「綺月君の頭ン中、
どれだけおめでたいの?
心美ちゃん、教室で
ビクビクしてたんじゃないの?」
「俺にムカついて……
うつむいてるのかと思ってたから……」
自分にがっかりすぎて、
うつむくことしかできない俺。
階段を踏み鳴らし、
天音が俺のとこまで上がってきた。
「この、鈍感男!」
「はぁ?」
「って、
綺月君に文句を言う資格はないか。
僕だって気づかなかったから。
心美ちゃんが、いじめられてたこと」
天音も俺も。
心美への懺悔の気持ちで、
ため息が止まんねぇ。
「でもね。
僕、本気で思ってたんだよ」
「何をだよ」
「綺月君になら
心美ちゃんを託してもいいかなって」
へ??
天音の奴……
今……なんて?



