「僕、素直な子が大好きだよ」
「じゃあ天音君、私と付き合ってよ」
「蘭、酷い!心美ちゃんの机に、
毎日嫌がらせしてたくせに」
「心美ちゃんに水かけようって言ったの、
沙穂じゃん」
「二人とも、ケンカしないの」
「だって……天音君……」
「僕ね、赤ずきんの狼って
大嫌いなんだよね」
「え?」
「人を騙して。傷つけて。
自分だけおいしい思いをしようとするでしょ?
心の中、醜くて、けがれているよね?」
「……」
「それに二人は、
知っているんじゃないの?」
「何を?」
「心美ちゃんの机に書いたでしょ?
僕が、男しか愛せないって」
天音君へのキャーキャー声が、一瞬で止み。
静まり返った教室。
王子様に酔いしれていた、みんなの目が、
異常者を見る目に変わっている。
「私のいとこから聞いたけど。
それって……ただの噂でしょ……?」
「ほんとだよ。
そんな僕と、付き合えるの?」



