「落書きしたの、誰?」
小鳥のさえずりみたいな、
天音君の優しい声。
ちょっと、待って。
犯人捜しが始まっちゃう?
「僕の正体、
知ってる子がいるんでしょ?
その子となら僕、付き合ってもいいな」
優雅な王子様スマイルがキラン。
女の子たちのハートを、
一瞬でキュンキュンさせるほどの威力に、
黄色い悲鳴が沸き上がっている。
天音君は、終始笑顔だけど。
そういう時ほど、要注意。
心の苦しみを、ごまかす時の天音君は
何をしでかすかわからないから。
「書いたの……私……」
おずおずと手をあげたのは。
明日華さんと仲良しの、蘭さん。
「抜け駆け、ずるいじゃん!」
そう言って、
沙穂さんも身を乗り出した。



