「心美ちゃん、僕は大丈夫だからね」
ふっと口角を上げた天音君に、
沸き上がった嫌な予感。
え?
ちょっと……天音君!
何をするの?
いきなりヘアピンなんか出して。
やっ……
ダメだよ、そんなことしちゃ!!
目を覆い隠すほど長い、天音君の前髪。
流すようにねじって。
天音君は、耳の上でとめ始めた。
なんで、そんなことをするの?
瞳を、長い前髪で隠し続けてきたのは、
天音君なりの、心の守り方だったでしょ?
「嘘……」
「……信じられない」
クラスメイトが、
天音君を見てざわつき出し。
「天音君って……イケメンだったの……?」
「顔面偏差値、高くない?」
「王子様級じゃん!!」
クラスメイトのざわつきが、
キャーキャー、キュンキュン声に
変わっていく。
天音君は
後ろで縛っていた髪をほどき。
女の子たちに、アイドル並みの
さわやかスマイルを向けた。



