ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目




「心美ちゃん、僕は大丈夫だからね」


 ふっと口角を上げた天音君に、
 沸き上がった嫌な予感。




 え? 

 ちょっと……天音君!
 何をするの?

 いきなりヘアピンなんか出して。



 やっ……
 ダメだよ、そんなことしちゃ!!




 目を覆い隠すほど長い、天音君の前髪。

 流すようにねじって。

 天音君は、耳の上でとめ始めた。




 なんで、そんなことをするの?


 瞳を、長い前髪で隠し続けてきたのは、
 天音君なりの、心の守り方だったでしょ?






「嘘……」

「……信じられない」


 クラスメイトが、
 天音君を見てざわつき出し。



「天音君って……イケメンだったの……?」

「顔面偏差値、高くない?」

「王子様級じゃん!!」


 クラスメイトのざわつきが、
 キャーキャー、キュンキュン声に
 変わっていく。



 天音君は
 後ろで縛っていた髪をほどき。

 女の子たちに、アイドル並みの
 さわやかスマイルを向けた。