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次の日の朝。
今日も学校なんて行きたくない。
でも、休めない。
いじめられているって、
お母さんにバレたくないし。
天音君を、学校で一人に
するわけにはいかないから。
捨ててと言われた、
明日華さんのタオル。
使わぬまま洗って、アイロンをかけた。
そのタオルを、カバンに忍ばせ。
私は、家の玄関を出た。
靴箱を開け。
一瞬で、心が泥沼にぽちゃ。
「今日も地味な、嫌がらせ」
私の靴箱の中に押し込まれているのは、
お菓子のゴミ。
誰にも見られたくなくて。
朝一で学校に来て、
ビニール袋に、ゴミを押し込む日々。
誰もいない教室に着いて、
自分の机の上を確認。
「今日の落書きは、酷すぎだよ……」
いつもは、消しゴムで消える様な
薄い文字で。
机の隅にこっそり書かれているのに。
太いペンで書かれている。
それも、机全体に。
文字なんて、見ないで消そう。
濡れ雑巾で拭けば、消えるかな?