時間指定?

 場所まで指定?



 待って。待って。
 私、綺月君のお家って知ってる?


 知らないよね?
 だって、中学も違うし。

 
 綺月君の連絡先すら知らないよ。
 スマホ、持っていないもん。




 ズズッ



 何かが引きずられる音。


 ハッとして、教卓の下から抜けだしたけれど

 教室に、綺月君の姿はない。


 私が捨てに行くはずのゴミ箱も、
 消えている。


 もしかして綺月君

 ゴミ捨てに、行ってくれたのかな?


 それなら、ゴミ箱を置きに戻ってくるよね?


 その時に、聞かなくちゃ。

 『私をからかっただけですか?』って。