「ひゃっ!!!」
いきなり私の顔に、大量の水が。
手のひらで、顔の水をぬぐう。
でも、髪の毛に含んだ水が垂れ続けて。
拭いても拭いても、
顔に水が落ちてくる。
なんで……私……
水浸しなの……??
わからなくて。
現実を、見るのが怖くて。
顔が、上げられない。
袖からしたたり落ちる水が、
カバンを濡らしているのも気にせず。
カバンからタオルを出そうとしたのに。
「心美ちゃん、ごめんねぇ~」
『わざとだよん』
そう言っているかのような嫌み声が、
私の耳に飛び込んできた。
「お掃除できない代わりに、
バケツにお水を汲んできて
あげたんだけどぉ」
「私……こけちゃって……」
「蘭、ドジすぎ!」
「心美ちゃん、大丈夫? アハハ」
みんなからの言葉が、
嫌みしか含まれてなくて。
びしょぬれの自分が惨めすぎて。
泣きたくなる。



