「ナヨッてしてて、マジで男かよ?
情けなすぎ」
「……」
「俺が女だったら。
絶対に選ばねぇけどな。天音なんて」
「綺月君……」
「なに?」
「天音君の悪口……言わないで……」
「俺、事実しか言ってないけど」
教卓の下。
抱きしめられるくらいの近距離。
怒りで揺れる心美の瞳は、
まっすぐ俺を貫いている。
俺を拒絶する、憎しみの視線。
これが、俺への愛情だったら。
今すぐ抱きしめるのに。
「私、天音君がいてくれないと、
生きていけないんだから!」
なんだよ……
それ……
あっそ。
心美が隣にいて欲しい奴は、
俺じゃなくて天音かよ?
もっと早く言えよ。
中3の俺は、自分の夢を投げ捨てて、
オマエの前に現れたんだから。



