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月曜日の朝。
心美のいない家から、学校へ。
チャイムと同時に滑り込んだ教室。
心美を視界に入れたくないくて、
目を合わすことすら、頑なに拒否。
だから、心美が
この教室にいるかどうかもわからない。
「おお。今日は全員揃ってるな」
担任の一言で、
心美の存在がわかった。
心美の奴、
天音の家に、二泊もしたのかよ?
マジで……ありえねぇ……
一時間目が始まる前。
脳の血管をライターの火で
あぶられたような怒りに襲われ。
沸点ギリギリ。爆発寸前。
誰も、俺に関わんな!
イライラで炎メラメラオーラを、
体中から発していたはずなのに。
「綺月の頭、冷ましてあげよっか?」
うふふと笑いながら、
深いシワが彫られた俺の眉間に、
明日華が冷え冷えのペットボトルを当てた。
こいつ。バカなの?
俺の機嫌がMAX悪いことくらい、
見てわかるよな?