「何? もう帰りたいわけ?」
「え?」
「彼女役なんてやらされて、
うぜーとか思ってるわけ?」
「そ……そんなこと……
思ってないよ……」
「もういい。
曲作りの手伝い、他の女に頼むから」
そんな女。
心美しかいないって、
自分でわかってるはずなのに。
怒り。
止まんねぇ……
「明日華さんに……頼むの……?」
なんでいきなり、
明日華の名前が出てくるんだよ。
「綺月君って、
明日華さんと仲いいよね」
は?
なに、その勘違い?
憶測で断言されるの、
すっげー腹立つんだけど。
そっくりそのまま、返してやりてたい。
『心美は、天音と仲いいもんな!』って。
天音の隣が、心美の居場所だよな?って。
「俺の仮カノ役。
明日華の方が適任かもな」
嫌みを込めれるだけ込めて
吐き捨てた言葉。
そんなこと言わないでと
後悔して欲しかっただけなのに。
「私も……
明日華さんの方が良いと思う」
――綺月君に興味なんてありません。
そう言われているような気がして。
荒波のように、怒りが込み上げてきた。



