心臓が肌を突き破りそうなほど、
バクンバクンしている。
だから、
たどたどしい敬語に、なっちゃったよぉ。
綺月君の反応が、怖い。
彼女役なのに、出しゃばりすぎかな?と、
不安にさえなる。
……
……
返事が、こない。
胸元のネックレスを、
ギューギュー握って待っていても。
聞こえるのは、
空中ブランコではしゃぐ
誰かのキャーキャー声だけ。
ブー。
空中ブランコが止まる、
機械音が悲しく響き。
私の仮カノとしての私のお役目が、
終わってしまった気にさえさせられる。
「綺月君……さっきのだけど……」
「ちょっと俺、飲み物買ってくる」
綺月君は不愛想な声を響かせると
私を見ることなく、
自動販売機の方に走って行った。



