「私には……似合わないから……」
「そんなわけ、ねぇじゃん」
ふぇ?
「心美に似合わないドレスなんて、
この世にねぇし」
……
……
ひゃぁぁぁぁぁ!!!
心が、壊れるかと思った。
嬉しさが、じわじわ浸透してきて、
倒れちゃうかと思った。
曲作りのため。
仮の彼氏として。
そんなことは、わかっているけれど。
思ってもいないことを言ってくれたって、
ちゃんとわかっているけれど。
それでも……
ものすごくキュンキュンしたよ……
体が火照りすぎて、
体中の血液が干からびそう。
こういう時、本物の彼女なら
なんて答えるのが正解なのかな?
うつむきながら、
必死に頭を回転させて。
恥ずかしさをごまかすため、
十字架のネックレスを握りしめて。
私は言葉を紡いだ。
「私たちの結婚式の時は……
綺月君も黒と紅色のタキシードを……
着てくれますか?」



