虚しくなった心を、浮き上がらせるように。
私は綺月君の顔を、まじまじと見つめた。
本当に、綺麗な顔。
芸能人みたい。
タキシードなんて着たら、
どこかの国の王子様だ。
ノートから、視線を上げた綺月君。
真ん前で目が合って。
見つめていた行為が恥ずかしくなって。
逃げるように視線を逸らした私。
「俺だったら、
このドレスを心美に着せたいけどな」
弱々しい声が耳に届き、
ノートに目を移す。
え? このドレス?
さっきまで私が描いていた、
黒×紅色のドレスだよ?
「わ……私、
こんな大人っぽいドレス似合わないよ」
「でもさ、俺と一緒にいて
思いついたんじゃないの?」
それは……
その通りだけど……
「もし……俺らが結婚するときは……」
結婚???
「そのドレス……着ろよな……」
ドキドキしすぎて、
ハートが焦げそうで。
うつむくことしかできない私。
自信なさげにつぶやいた綺月君の声に、
さらに小さな声を返す。



