「ごめんな、心美」
「ふぇ?」
何について、謝られたの?
「空中ブランコ……乗らなくて……」
「あ……」
「それと俺、またやっちゃったよな?
脳にメロディーが浮かぶと、忘れる前に
曲を仕上げたくなっちゃって」
いつも堂々としている綺月君なのに。
本当に申し訳なさそうに、
肩を落としている姿に。
今度は、キュンキュンキュン。
3回、私の胸が飛び跳ねた。
「気にしてないで。
私も、ドレスのデザインを考えてたし」
「じゃあ、見せて」
「え?」
「だから、さっき描いてたノート」
う……
その笑顔……作りものですか??
保健室の先生並みの、
優しげな瞳で見つめられ。
焦げるように、心がジワジワざわついて。
抵抗できない私。
「ちょっと……だけなら……」
胸元に抱きしめていたノートを、
恐る恐る、綺月君に渡す。



