「心美は無いわけ?」
「ん?」
「授業中に、ドレスのデザインが浮かぶこと」
「あるよ……
でも、ささっとメモる程度かな」
「英語の授業は、まともに聞いておけよ」
へ?
なんで英語限定?
「外国の奴に、
ヴァンのカッコよさを聞かれて、
答えられないのは嫌だろ?」
「あ……うん」
それは、そうだけど。
なんか今の感じ……
以前、味わったことが
あるような気がする……
渋い顔で首をかしげる私の鼻を、
綺月君はいきなり摘まんできた。
「ひゃっ!!」
「何、考えてるわけ?」
やんちゃな小学生みたいな笑顔が
私の瞳に映り。
ひゃひゃひゃ!!
吸い込まれそうな笑顔に。
心の中でも
飛び跳ねる様な声を響かせた私。
「な……何も……
考えてないよ……」
明らかに動揺中。
震える手を、顔の前でパタパタして。
綺月の手を、
私の鼻から引き離したのに。
「心美って、ハムスターかよ」
ケラケラ笑われ。
その笑顔に、キュン。
肩がビクンと上がるほど、
胸が飛び跳ねた。



