「恥ずかしいから……
見せられないよ……」
「何が恥ずかしいわけ?」
「だから……私がドレスなんか……
考えているのが……」
「じゃあ心美は、
俺のことも恥ずかしい奴だって
思うわけ?」
え?
「俺の曲作りなんて、ただの妄想だし」
「綺月君は、お仕事でしょ?
趣味の私なんかと、全然違うもん」
「違わねえよ。っうか、
心美より俺の方が、100倍たちが悪いし」
たちが悪い?
「俺、授業なんて、半分以上聞いてない。
だいたい頭の中で、曲作ってるから」
「でも綺月君、テストの点数良いよね?」
「学年で10位以内に入れって、
氷牙がうるせーから」
「親戚?」
「氷牙は、親友……仕事仲間……。
上からウダウダうるせーし、
兄貴がわりってとこだな」
「千柳さんって人も?」
「ああ。俺が小2の時から
あいつらと一緒だから」
綺月君がフッと笑った。
見とれてしまうほど、優しい笑顔で。
きっと綺月君にとって、
千柳さんも氷牙さんも特別な存在なんだね。



