☆心美side☆
綺月君……
どうしちゃったんだろう……
空中ブランコに乗るのを、
直前でやめるなんて。
無言で。
真剣な顔で、私の手を引っ張って。
連れてこられたのは、
空中ブランコ乗り場の横にある、
丸テーブルの前。
綺月君は、私の腕をパッと離し。
椅子に腰かけ。
背中のななめ掛けバックから、
ノートとペンを取り出した。
耳に耳栓を押し込み。
私の存在すら忘れたように、
ノートに音符をかき込んでいる。
フフフ。そういうことか。
いいメロディが、いきなり浮かんだんだね。
邪魔しないようにしなくちゃ。
私もポーチから、
ノートと色鉛筆を取り出す。



