「心美は今日だけ……俺の彼女な……」
ほ……ほえ????
か……彼女……????
「ゾクゾクするようなラブソング、
作らないといけねぇから」
そうだよね?
曲作りのための、仮の彼女だよね?
焦ったぁ……
真に受けるところだった……
私が綺月君に好きになってもらえる
確率なんて……
0%だって、わかっているのに……
いつもより、微笑み方が優しい綺月君。
その理由が、
『曲作りのため』という現実に、
心がザラザラと痛む。
でも、落ち込んだ顔なんて
見せたくないな。
今日だけは……
ううん。違う、違う。
遊園地にいる、今だけは。
綺月君の、仮の彼女でいられるんだから。
「仮カノ、頑張るね」
モヤモヤを吹き飛ばすように
綺月君に、
私なりのとびきりスマイルを送った。



