ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目



 天音君の3人のお姉さんたち。

 幼稚園の頃から、本当の妹みたいに
 かわいがってもらっている。



「僕も、心美ちゃんだったらなぁ」

 そう言いながら、
 お弁当の蓋を開けた天音君。

 は~と、いつものようにため息を吐いた。



「我が家は僕が、料理担当って。
 心美ちゃんが来た時だけだよ。
 姉さんたちが料理作るの」


「天音君の手料理。おいしいから」


 フフフと笑いながら、
 私もお弁当の蓋を開けた。



 わ~!!

 綺月君の作ってくれたお弁当、
 すごーい!!


 私が作るお弁当より、彩が鮮やか。
 おいしそう!!



「綺月氏、なかなかやりますなぁ」


 アニメキャラ並みのおちゃらけ声をだした
 天音君に、笑えてしまった私。
 

 いただきます。

 丁寧につぶやき、卵焼きを口に運んだ。



 うわ~。おいしい!!

 フワフワで。甘くて。幸せ。



「心美ちゃん、ニヤケすぎ」


 ひゃ!!


「私、そんなに緩い顔してた?」


「綺月君が見たら、一瞬で惚れる感じ」


 ほ……ほ……惚れるって……

 私の笑顔に、魅力なんて皆無だよ。