体がだるそうな綺月君を
キッチンに残し。
結局、綺月君が家を出るまで、
自分の部屋に隠れてしまった私。
綺月君が作ってくれたオムライスを、
感動しなら食べ。
歩いて。走って。
お腹を押さえながら、
なんとか教室にたどり着いた。
椅子に座り込んだ瞬間
チャイムが鳴ってくれたことに、
ホッとしたけれど。
遅刻ギリギリに駆け込んだ私のことなんて、
クラスの誰も気にも留めない現実に、
心が痛む。
大丈夫。大丈夫。
私には、天音君がいる。
お昼休みになれば、
一緒にお弁当を食べてくれるから。
毎朝、自分に刷り込んでいる
呪文のような言い訳。
心が軽くなるどころか、
クラスでボッチの自分が
余計惨めに感じるだけ。



