「朝ごはん、今から俺が作るからな」 「それは私が……」 「俺が作りたいの」 「え?」 「心美のために」 私の……ため? 綺月君の男らしい、 甘さしか感じない大好きな声が、 耳に届いた。 神経がゾクゾクっと震えて。 脳がゆるゆるっと溶けだして。 もう、立っていられそうもない。 「朝ごはん……お願いします……」 体中が波打つような ドキドキに襲われたまま、 私は自分の部屋に逃げ帰った。