「綺月君、朝ごはんは私が作るね。
 お部屋で休んでて」


「ここで休ませて」


「え?」



 エプロンを脱いだ綺月君。

 私の前に来て、
 おでこを私の肩の上に乗せた。



 ひゃぁぁぁぁ!!!



 待って。待って。
 いきなり、ゼロ距離って。

 腕を回せば
 抱きしめ合っているのと同じ状態って。



 綺月君の柔らかい髪が、
 私の頬に触れていて。

 綺月君のシャンプーの匂いが、
 私の脳まで浸食していくようで。

 ドキドキで、目が回っちゃいそう。




「綺月君、大丈夫?
 ソファに横になる?」


「ここの方が落ち着くから」


 私の心臓が、落ち着かないよぉ。



「でも、
 朝ごはんを作らないといけないし」


「5分だけだから」



 5分も、密着状態が続くの??

 私の心臓。
 もう、限界に近いんだけど。


 爆発しないかな?
 大丈夫かな?