「俺と付き合って」


「……え?」



 やべっ。
 声に出す言葉、間違えた!!


 何やってんだよ!!
 これじゃ、告白じゃん!!


「か……勘違いするなよな。
 明日の夜も、
 曲作り手伝えってことだからな」


「でも……今日みたいなのは……
 ちょっと……」


 俺がキスしたこと、迷惑なのかよ。
 さすがに凹むんだけど。


「なんもしねぇよ」


「え?」


「俺の部屋で、
 一緒にアニメ見てくれればいいから」


「それだけ?」


「俺まだ、
 吸血鬼のキャラを掴めてなくて。
 曲作れないから」


「それなら……良いよ……」



 ホッとしたように、胸を撫でる心美。

 それを見た俺の胸は、
 ギューっと絞られるように痛みだした。