東京ヴァルハラ異聞録

「月影さん!俺も行きますよ!これ以上見ているだけなんて、俺には出来ないっ!」


「結城昴……わかりました。よろしくお願いします!」


ビショップゾンビの血液に対して、何の防御手段も持たない俺が行くのは、無意味な事と思えるかもしれない。


でも、動かずにはいられなかった。


「正気か少年!お前が行ったところで何になるというのだ!」


「何になるかじゃない!仲間を助けるのに、そんな理屈はいらないでしょう!」


そう言って、月影と共に階段から飛び出した。


柱の横を通り、反対側の階下にいる麻衣達を助ける為に。


「昴!月影さん!」


そう叫んだ麻衣の横に降り立った俺と月影。


素早く、迫るビショップゾンビの一部に駆け寄り、ゆっくりと日本刀を抜いた。


斬れば血液が噴き出す。


下手に攻撃をするよりも、受け流す感じで防ぐしかない。


皆が逃げるまでの時間を稼げば、どうにかなる。


この位置なら、胴体から噴き出す血液はさほど気にならない。


大丈夫、戦える。


「皆さん、私に付いてきてください!ここから早く逃げましょう!」


「た、助かったぜ……」


月影に任せておけば、向こうは大丈夫そうだな。


だったら俺は、こいつを止めるだけだ!