東京ヴァルハラ異聞録

「最悪な予想だな……ただ階段を上ればいいだけとは思わなかったけどよ、ここで戦闘になるのか?」


それは俺にもわからない。


でも、拓真がそう言うのはわかるな。


出来れば、こんな足場の悪い場所での戦闘は避けたいものだ。


だが、月影はさらに頭を押さえて。


「ダメッ……来る……来るよ!すぐ近くまで来てるっ!!」


その声と同時に、中心の柱付近に大量の紫の液体、そして謎の物体が落下した。


いや、それだけではなかった。


「な、なんだよこの臭い!!くせぇっ!」


拓真の言う通り、鼻を突く臭いが立ち込める。


「嫌な予感は当たるものだな……それにしてもこんな姿で現れるとは」


恵梨香さんが見上げた先。


そこには、柱に身体を巻き付けた巨大な蛇のような化け物が。


俺が知っている蛇と違ったのは、腕があり、肉が腐っているのか、それが身体から剥がれ落ちてこの悪臭を放っているところだった。


「ビショップ……ゾンビってところかしら?こんな身体でよくもまあ」


「あ、明さん!こいつ……こいつがビショップなんですか!?」


「ええ、前回もこの塔を守っていた化け物、ビショップ。体液に触れると溶かされてしまうから、気を付けて」