東京ヴァルハラ異聞録

「ほら見たことか!やっぱり落ちたじゃねぇかよ!!」


確かに……何か、不気味な塊が落ちた。


茶色い物体……それが、紫色の液体を纏って。


「ぬうっ。今度は新藤まで。他に見たものはいるか?」


恵梨香さんがそう尋ねると、全員が手を挙げて。


「何かの……肉?紫の液体も見えたけど」


「それにしても誰がそんなもん落とすんだよ。気持ち悪い」


麻衣も川本も、その不気味な物体に顔が引きつっている。


その中で、狩野は目を細めて何かを考えている。


「もしかして……皆、いつでも戦えるようにはしておいて。それと、あの紫の液体には触れちゃダメよ。肉も骨も溶かされてしまうわよ」


突然そう言い出した狩野に、俺達は驚いて壁際まで寄った。


「まさか……アレがいるというのか?バカな、黒井がビショップになって、それはもう倒したはずだ」


「それはわからないでしょ?あれは黒井がビショップと名乗っていただけで、本当のビショップは存在しているかもしれない。そもそも黒井は前回、ビショップもクイーンも見ていないのだから」


いや、どういう事だよ。


黒井がビショップじゃない?


わからない事だらけだけど、もしそうだとしたら、まだビショップは残ってるって事か?