東京ヴァルハラ異聞録

~国技館周辺~


「はっはぁっ!!図体がデカいだけで、その程度の攻撃しか出来ねぇのか!?恐れるまでもねぇな!!」


フェンリルの攻撃を、飛び回って回避し、ハルベルトで攻撃をし続けているのは秋本。


確かに、フェンリルの攻撃は当たってはいないが、回避に集中している分、秋本の攻撃にも力が入っておらず、ダメージを与えるには至っていなかった。


強がってはいたが、それは秋本には痛いほどわかっていた。


「秋本っ!飛び回っているだけではやつは倒せんっ!どけっ!!」


そう言い、オーディンがグングニルをフェンリルに投げ付ける。


秋本に気を取られていたフェンリルがそれに気付くが、僅かに回避が遅れた。


グングニルはフェンリルの額に直撃し、その巨体を後退させたのだ。


「はっ!さすがはオーディンってか!?今の一撃で終わりとはな!」


だが、秋本が言った通りにはならなかった。


首を振り、刺さったグングニルを振り払うと、すぐさま秋本に飛び掛かったのだ。


空中で身動きが取れない。


防御するしかないが、これを防ぎ切れるのかと、焦りながらもハルベルトを構えたが。


「秋本さん!迂闊ですよっ!」


下の方から飛んで来たオレンジ色の人に掴まれ、さらに上昇した秋本は、フェンリルの牙を回避する事が出来た。