東京ヴァルハラ異聞録

「グルルルルァウッ!!」


「ガウッ!グゥアウッ!!」


牙を剥き、俺を喰らおうと噛み付いて来る!


気を付けなければならないのは口だけではなく、俺に掴み掛かって来る手にも!


「くっ!こいつらっ!!集団になると厄介だな!!」


この街に来たばかりの時は、たった一匹のポーンに殺された。


そんなポーンを相手に、どこか余裕を持っている自分がいて、それはとても不思議な事だった。


迫り来る腕を踏み付け、上空に飛び上がって逃れる。


眼下では、飛び上がった俺を喰らおうと、ポーン達が口を開けて待ち構えているが……残念ながら、俺はお前らに食われるわけにはいかないっ!!


日本刀を握り締め、落下に合わせてこいつらを斬り捨てる!


と、行動に移そうとした時だった。


「俺の道を塞いでんじゃねえっ!!どけっ!獣どもがっ!!」


眼下にいたポーン達が突然吹っ飛ばされて、着地地点が綺麗に掃除され、俺はそこに着地した。


その攻撃は、北軍の方からこちらへと一直線に伸びている。


そして、道の先には……。


「おい、結城!こいつらがどうしてもお前と行きたいって言ってるから連れてけよ!」


悠然とポーンの間を歩く秋本に連れられて現れたのは、拓真と麻衣だった。