東京ヴァルハラ異聞録

「昴少年!国技館の中だ!そこからバベルの塔に入るしかないぞ!」


「入り口に向かえばいいんですね!わかりました!」


バベルの塔の外壁には、どこからも入れそうな所がない。


となると、国技館の入り口から……という事か。


「沙羅!付いてこられるか!?」


ビルを駆け下り、沙羅に手を伸ばすが、それに対して首を横に振る。


「昴くんは前だけ見て!!沙羅は戦う為にここにいるんだから!!」


「そうか……じゃあ付いてこい!」


少し雰囲気が変わった。


そう……今の沙羅は、雨村と戦っていた時と同じような感覚。


乱暴な言葉遣いと強さの、もう一人の沙羅。


「私が道を開くから!!あなた達はそのまま行きなさい!!」


背後から朝倉が叫び、ポーンの集団に目掛けてゲイボルグを投げ付けた。


それは、俺の頭上で無数の矢へと変化し、前方のポーン達を次々と射抜いて行ったのだ。


「なんて武器だ……でも、頼りになる!!」


俺も負けじと、鞘に納まった日本刀に手を添えた。


力を刃に留める必要はない!


猛り狂うように力を発散させる!!


全力でやる必要はない!


瞬間の集中。


一気に力を溜め込んだ日本刀を、鞘から引き抜いた。