東京ヴァルハラ異聞録

「でも、これじゃあまるで俺は道化ですよね。皆に担ぎ上げられただけです」


照れながら頭を掻いて、苦笑いを浮かべる。


「誰かが道化を演じなければならなかっただけの話だ。それに、ただ担ぎ上げられただけの道化なら、誰も認めはしなかっただろうな。結城だからここまでやれたんだと自信を持て」


久慈さんがそう言い、PBTを口に向ける。


「聞いたな皆。開戦の合図があれば、戦闘開始だ!かりそめの死など恐れるな!俺達は生きて、元の世界に帰るぞ!!」


その言葉で、さらに南軍から歓声が上がった。


「俺達も負けてられねぇぞ!!北軍の力を見せ付けてやれ!今まで散々いたぶってくれた化け物共に、百倍返しと行こうぜ!!」


秋本も負けじと北軍に呼び掛ける。


「相変わらず負けず嫌いなんだから。じゃあ、私達は戻るからね。生きてたらまた会おうね」


「神凪さんも、ありがとうございます。絶対に……生きて帰りましょう」


俺に手を振り、神凪と秋本は北軍へと戻って行った。


「さて、私は昴少年とここにいる。朝倉はどうする?」


「南軍の指揮は侑樹ちゃんに任せました。彼女なら、私よりも上手くやってくれるはずだから」