東京ヴァルハラ異聞録

「秋本ぉぉぉぉっ!!」


右側の道路から、その声が聞こえて、秋本と呼ばれた男は慌てて後方に飛び退いた。


と、同時に目の前に巨大な剣が地面に叩き付けられたのだ。


現れたのは……久慈さん!


「またお前かよ!久慈!!いつもいつも俺が遊んでる時に邪魔しやがって!お前は何か!俺のストーカーか!」


「残念だけど、男の尻を追い掛ける趣味はないね。お前こそ、俺の前にいつも現れて。先回りでもしてるんじゃないのか?」


助かった……のか?


いや、左腕を切断されて、血の量がヤバい。


「昴、こいつは俺が相手をするから逃げろ。お前じゃ、100回死んでも勝てやしない」


情けないけど……久慈さんの言う通りだ。


強くなれと言われ、北軍との最初の戦闘を生き残って、少しいい気になっていたのかもしれない。


俺はまだ弱いという事実を突き付けられた。


「すみません……お願いします」


「おう。ソウルを使って回復するのを忘れるなよ」


そう言い、久慈さんが来た方向へと逃げようとしたけど。


「逃がすかよ!」


秋本がそう叫んで、俺に飛び掛かったのだ。


だが、巨大な剣を構え、秋本と俺の間に割って入った久慈さんが、その攻撃を受け止めた。