東京ヴァルハラ異聞録

「バベルの塔の頂上に行けば、願いが叶うというのはただの噂のはずです。あなたは本当にそんな荒唐無稽な話を信じているの?そんな事のために、皆を巻き込もうとしていると言うの!?」


桜井の声が強くなる。


何度も言われてきた言葉だ。


そんな噂を信じているのか、バベルの塔なんて行けっこない。


言われ続けたけど、それでももう、行けるところまで来ているんだ。


「信じなきゃ……何も変わりません!!俺は変えたい!何もないと決めつけて、何もしないなんてそんなの悲しいじゃないですか!大切な人と交わした約束なんだ、俺達を信じて付いて来てくれた人達を悲しませたくない!」


「独りよがりのわがままだと思わないの?あなたが言っていることは希望的観測に過ぎません」


「そうだとしても!決して無駄だとは思いません!こうして、軍を超えて色んな人達が協力しあっているんですから!」


正直、考えたくないだけかもしれない。


バベルの塔の頂上に、桜井が言うように何もなかったら……なんて。


「あーいてぇ。思った通り良いスピードだ。もっとアゲていかないと俺が食われちまう」


「国さん、本気でやって。昴くんは手を抜いて勝てる相手じゃないわ」