東京ヴァルハラ異聞録

黒井の遺体は、名鳥と雨村が埋葬してくれる事になった。


とりあえずは近くのホテルに安置するという事で。


それは良かったのだけど……気になるのは他にも見知った顔が何人かいる事だった。


それも、南軍の人間が。


「えっと……どうしてあの人達がここにいるんですか?」


俺が、そこにいた南軍の人達を指差すと、沙羅が口を開いた。


「うん。ほら、あの光で南軍が落ちたでしょ?朝になってもそれは修復されなくて。だから難民として東軍にやって来た人達だよ」


難民……か。


緊急事態とは言え、ここは敵地なわけで、居心地は悪いだろうな。


「なになに、知り合いでもいるっての?だったら上手く話を付けてくれないかな?難民を保護するのは構わないんだけどさ、どうも好戦的でさ。うちの連中といざこざが絶えないんだよね」


そりゃあ、敵同士が同じ場所にいるならトラブルの一つもあるだろうけど。


「知ってるのは……五人くらいですけどね。光輝、桜井、秋田に三原、それと光輝と一緒にいた女の子」


光輝と桜井、秋田なら、何とか話が出来るかもしれないけど、三原は見た目からして好戦的で、俺自身は話をした事がない。


上手く話が出来るかどうかなんて、自信は全くなかった。