東京ヴァルハラ異聞録

だが、黒井はその手を振り払って。


俺を睨み付けて、小さく舌打ちしたのだ。


「ふざけてんじゃねぇ!!誰がテメェらと行くかよ!!俺と戦え……結城昴!戦わねぇなら、この街にいる人間を根絶やしにしてやる!!」


どうしてこんなに拒むのか。


それに、ビショップみたいな事を言っているけど、黒井にそこまでの力がないのは本人もわかっているだろうに。


「黒井!テメェ!何トチ狂ってやがる!俺が殺してやろうかコラ!!」


秋本が怒りの声を上げるが、黒井は俺から視線を外さずに、秋本にランスを向けた。


「お前に言ってんじゃねえ。俺はこのいけ好かねぇ日本刀を使う男に言ってんだよ」


まるで子供のわがままみたいな言い分だけど、高山真治から続く因縁があるのだろうな。


それが、今回は俺だったというだけの話だ。


「秋本さん、俺がやります。この人に自分の力がどこまで通用するか知りたかったし、やらなきゃいけないんだ」


俺の言葉を聞いて安心したのか、黒井がニヤリと笑う。


「そういうところは、高山真治と同じだな。全く……気に入らないガキだぜ!おかげで遠慮なくやれそうだ」


「遠慮する気なんてないでしょ?それより回復してください。ボロボロのあなたに勝っても嬉しくないですから」