東京ヴァルハラ異聞録

この声はビショップ!


元の世界では力が抑えられていたけど、ヴァルハラでは違う!


一瞬の隙が命取り……と、身構えたけれど、その姿はビショップの悪魔的な物とは違っていた。


「どうしたよ。ヴァルハラに戻ってすぐに、俺とやりあおうってのか?」


ボロボロな身体、左目と右腕だけがビショップのままだったが、他の部分は間違いなく黒井に戻っていたのだ。


辺りを見回すと、恵梨香さん、秋本、明も目を覚まして、立ち上がって黒井を見る。


「テメェらの攻撃で、どうやらビショップは力尽きたみたいだな。後はもう、俺の力しか残っちゃいねぇ」


ヴァルハラに帰るあの光。


それを発生させる為に、限界を超える力を一人で引き出したビショップ。


代償は時間だけでなく、こういう形ででも現れていたんだ。


ビショップの死……それは、黒井が解放されるという意味で、俺達にとっては喜ばしい事だった。


「そう……か。だったら良かった。バベルの塔に行くのに、黒井さんの力は必要だからね。一緒に行きましょう。あの塔の頂上に」


ビショップが死んだというなら、黒井にも協力してほしい。


そう思って手を差し出した。