東京ヴァルハラ異聞録

「何を……しやがった!今の光はなんだ!言ってみろ!」


ビショップも、この光に気を取られ、俺への攻撃を忘れているようだ。


「俺達とお前がぶつかった時、この光が発生する。だけど、まだ力が足りないんだ。きっとこの光は……げふっ!!」


また、血が口から飛び出す。


そこまで言って、俺は気付いてしまった。


それにしても、力が強くなっているはずなのに血を吐くなんて。


この攻撃に、身体が付いて行っていないのか。


恐らく、ビショップも気付いたのだろう。


「……俺が死ぬほどの力がぶつかった時、お前らはヴァルハラに帰れる……ってわけか」


俺が到達した考えと同じだった。


だが、それはビショップにとっては何もメリットがない条件。


このまま逃げられるという可能性すらある中で、真っ先に口を開いたのは恵梨香さんだった。


「気に入らんな。黒井を殺す事に、今更躊躇いなど微塵もないが、誰かもわからぬ存在にお膳立てをされているというのが納得出来ん。どうだ、黒井。昴少年の言うように、ヴァルハラに戻らないか?あの槍を放ったやつに戦いを挑んでも良かろう」


「俺が死ぬほどの力が必要なんだろ。はっ!俺に死ねって言ってんのかよ!お前、何を言ってるのかわかってんのか!あ!?」


恵梨香さんの言葉の矛盾。


ヴァルハラに帰るには、ビショップが死ぬほどの力を必要とする。


つまり、そうなればビショップはヴァルハラには戻れない。


そういう事だ。