東京ヴァルハラ異聞録

「明さん、ルークにやったあれ、出来ますかね?」


「……現状でビショップを倒せる可能性を考えたら、あの技は有効だと思うけど。この世界に戻ってから、力が増している。斬撃の速度を合わせるのは難しいわよ?」


「いや、倒そうと思ってるわけじゃなくて。凄まじい力と力がぶつかれば、ヴァルハラへの道が開けるんじゃないかと思って」


俺の考えを理解してくれたのだろう。


日本刀の柄尻を額に当てて、何かを考える素振りを見せる明。


「果たしてそれを、黒井が協力してくれるかどうかね。私達がその攻撃に成功したとしても、回避されては意味がないから」


「つまり、ビショップを説得しなければならないという事ですよね」


「そういう事。そして、戦闘で疲労しては、思ったような力は出せないかもしれないわ。それには注意して」


明は……俺に協力してくれる。


この世界に被害を及ぼしたくないと考えているのだろう。


俺達は、この世界では強すぎる力を持っているから。


「わかりました。行きましょう!皆で力を合わせれば、きっとヴァルハラに戻れるはずです!」


そう言うと、明はフフッと笑って。


「おかしな子ね。この世界に戻る為に戦っていたのに、今度はヴァルハラに戻ろうとしているなんて」