東京ヴァルハラ異聞録

展望台の上を走り、反対側まで来た俺達は、そこにいる二つの影を見た。


一人は悪魔のような風貌のビショップ。


そしてもう一人は……破れたライダースーツに、割れたフルフェイス。


「まさか……恵梨香さん!?」


「マジかよ、東軍の死神がいるとなると……戦力としては申し分ねぇな」


確かに戦力としては十分すぎるけど、俺達より速くここに駆け付けて、ビショップと戦っていたのか。


余裕があるビショップに対して、見ての通り恵梨香さんはボロボロ。


上手く瞬間回復を使っているようだが、押されているのは目に見えてわかる。


「チッ!!この程度の力しか出ねぇのか。それに比べて、結城昴と言い、北条と言い、力が増してやがる。どうなってんだ」


「はっ!世界に嫌われているようだな黒井!純粋に力を求めている昔のお前は、まだ可愛げがあったぞ!今のお前は……欲望に負けた、ただの負け犬だ!」


「わきまえろよ。それでもお前よりも俺が強い事には変わりはない!」


そう言い、黒井が恵梨香さんに殴り掛かった。


両手に構えたトンファーを盾のようにして、この攻撃を受け止める。


だが、その威力は凄まじく、恵梨香さんが大きく仰け反った。