東京ヴァルハラ異聞録

そしてやって来たスカイツリー。


今回は美姫はいない。


展望台までエレベーターで上がってもいいけど、外から行った方が早いかもしれないな。


「ここを登るのか……スカイツリーって階段ありましたよね?」


「んなもん使うより、鉄骨をよじ登って行った方が速いだろ俺はそうするぜ」


そう言って秋本は、スカイツリーの鉄骨に飛び移った。


口にハルベルトをくわえ、器用に上へ上へと登って行く。


「階段を登るにも、お金を持ってないわね。仕方ないわ。私達も外から行きましょう」


金の問題か。


それを言われるとどうしようもないな。


俺も外から登るか。


両手が使えるように鞘を口にくわえて、俺も秋本と明に続いて鉄骨に飛び移った。


地上にいる人達がそんな俺達を見付けて、騒ぎ始める。


鉄骨に掴まり、よじ登ってそれを足場に飛び上がる。


この身体能力だから出来るものの……生身じゃ絶対に無理な登り方だな。


会話をしようにも、口が塞がれていて話せない。


目の前に迫る難所をどうすればいいかを相談したいってのに。


秋本も明も、どうやら俺と同じ事を考えていたようで。


その難所の下で、足を止めたのだ。