東京ヴァルハラ異聞録

「光……?私達がこの世界に来た時の光に似てる?」


パチッ、パチッと瞬くような光が、少しずつ移動しながら確認出来た。


「……誰か、あそこにいる」


確証を持てたわけじゃない。


でも、強い力同士がぶつかっているような……そんな感じがする。


「いるってなると、やっぱり黒井だな。おい、急ぐぞ!」


「そうね、昴くんがそう感じるなら、ビショップがいると考えて間違いないわね」


二人はそう言って、橋を渡る為に地上に降りた。


「いや、あの……もう一人いそうなんだけど。まあいいか」


速くあの場所に向かわなければならないのは変わらないから、俺も飛び降りて走った。


秋本は橋を渡るが、俺と明は隅田川の水面を走る。


バシャバシャと水しぶきを上げて走っている俺に対し、明の走りは実に美しかった。


水面に波紋が出来るだけで、水しぶきが全く起こらなかったのだ。


「お前ら……化け物かよ」


秋本にそう言われた気がしたけど、秋本だって十分化け物だと思う。


平行移動は確かに俺達の方が得意かもしれないけど、垂直移動なら秋本の足下にも及ばない。


ひと飛びで50メートルは跳べるんだから。